トヨタのルーミーは、そのコンパクトなボディと広い室内空間で多くのファミリーから支持を集めていますが、「他にも似たような車はないだろうか?」と感じる方も少なくありません。
実際に、ルーミーに似た車種はいくつか存在し、それぞれに異なる魅力があります。例えば、同じ大きさの車として最大の対抗車に挙げられるのがスズキのソリオです。では、ソリオとルーミーは同じ車なのでしょうか。また、ルーミーとソリオはどっちが人気ですかという疑問もよく聞かれます。
この記事では、ルーミーの購入を検討している方が抱える「買うならどっちがいい?」という悩みにお答えします。兄弟車や同等クラスの比較車はもちろん、少し大きいクラスの代表格であるトヨタのシエンタとの比較、つまりルーミーとシエンタどっちがいい?といった具体的な疑問まで、徹底的に解説していきます。
- ルーミーの兄弟車やライバル車の具体的な車種
- ソリオやシエンタとの違いや選び方のポイント
- 各車種のメリット・デメリットを比較した結果
- あなたに最適な一台を見つけるための判断基準
【一覧】ルーミーに似てる車とそれぞれの特徴
- ルーミーに似た車種は?
- トヨタ内で比較される兄弟車
- 同じ大きさの車はソリオが筆頭
- ソリオは最大の対抗車
- 少し大きい同等クラスの車種
- 比較車はフリードやシエンタ
ルーミーに似た車種は?

トヨタのルーミーに似た特徴を持つ車、いわゆる「プチバン」や「コンパクトトールワゴン」と呼ばれるカテゴリには、いくつかの選択肢が存在します。
結論から言うと、最も代表的なライバル車種はスズキのソリオです。ルーミーとソリオは、5ナンバーサイズのコンパクトなボディ、後席両側スライドドア、そして広い室内空間という共通点を持ち、子育て世代を中心に常に比較される関係にあります。
その他にも、ルーミーにはOEM供給によって生まれた兄弟車が存在します。具体的には、ダイハツのトールやスバルのジャスティがこれに該当します。これらはエンブレムや一部のデザインが異なるものの、基本的な設計や性能はルーミーと共通です。
したがって、ルーミーと似た車を探す場合、まずは直接のライバルである「ソリオ」と、基本構造が同じである「兄弟車」の存在を理解することが、車選びの第一歩となります。
トヨタ内で比較される兄弟車

ルーミーという車を理解する上で、兄弟車の存在は欠かせません。実は、ルーミーはトヨタが開発・製造した車ではなく、ダイハツが開発した「トール」という車がベースになっています。
OEM供給とは?
これは「OEM(Original Equipment Manufacturer)」と呼ばれる、他社ブランドの製品を製造する形態です。ダイハツが製造したトールを、トヨタやスバルがそれぞれのブランドの車として販売しているのです。
そのため、以下の車種は基本的な構造を共有する兄弟関係にあたります。
- トヨタ ルーミー
- ダイハツ トール(開発・製造元)
- スバル ジャスティ
以前はトヨタ内で「タンク」という兄弟車も販売されていましたが、2020年のマイナーチェンジでルーミーに統合されました。
これらの車種は、エンブレムやフロントグリルのデザイン、選べるグレードや装備に若干の違いはありますが、ボディサイズ、室内空間、エンジン性能といった根幹部分は同じです。ですから、デザインの好みや販売店のサービス、値引き条件などで選ぶことになります。
同じ大きさの車はソリオが筆頭

ルーミーとほぼ同じ大きさの車で、全く異なる選択肢を探す場合、スズキのソリオが筆頭候補になります。両車はコンパクトトールワゴン市場を二分する存在であり、常にライバルとして比較されます。
まずは、両車のボディサイズを比較してみましょう。
※グレードにより数値が若干異なる場合があります。
表を見ると、ソリオの方が全長が90mm長く、全幅は25mm狭いことが分かります。このわずかな差が、室内の広さや荷室の使い勝手に影響を与えています。
特に、ソリオは全長が長い分、後部座席の足元スペースや荷室の奥行きに余裕があるのが特徴です。一方で、ルーミーは全幅が広いため、横方向のゆとりを感じやすいかもしれません。
このように、数値上はわずかな違いですが、実際の使い勝手にははっきりとした差が生まれるため、同じ大きさの車としてこの2台を比較検討することは非常に有意義です。
ソリオは最大の対抗車

前述の通り、スズキのソリオはルーミーにとって最大の対抗車です。単にサイズが似ているだけでなく、コンセプトや歴史、そして搭載されている技術にも明確な違いがあり、それが両車の個性を際立たせています。
パワートレインの違い
最も大きな違いはパワートレインです。ルーミーが1.0Lのガソリンエンジン(自然吸気とターボ)のみであるのに対し、ソリオは1.2Lのガソリンエンジンをベースにしたマイルドハイブリッドと、EV走行も可能なフルハイブリッド(ストロングハイブリッド)を用意しています。
この違いにより、燃費性能や走行性能に差が生まれます。特に燃費を重視するユーザーにとっては、ソリオのハイブリッドシステムは大きな魅力となるでしょう。
歴史とコンセプト
もともと、このコンパクトトールワゴンというジャンルを切り開いたのはソリオでした。その人気を受けて、ダイハツ・トヨタ連合がトール/ルーミーを開発したという経緯があります。そのため、ソリオにはこのクラスのパイオニアとしてのノウハウが詰まっていると言えます。
走行安定性や乗り心地といった面では、後発のルーミーよりもソリオの方が優れているという評価も一部で見られます。こうした背景を理解すると、なぜソリオが最大の対抗車と呼ばれるのかがより明確になります。
少し大きい同等クラスの車種

ルーミーやソリオのサイズ感では少し物足りない、あるいは乗車人数が5人では足りない可能性がある場合、もう少しだけ大きい同等クラスの車種に目を向けるのも一つの方法です。
このカテゴリに分類されるのが、トヨタの「シエンタ」やホンダの「フリード」です。これらは「コンパクトミニバン」と呼ばれ、プチバンより一回り大きいサイズ感が特徴です。
サイズと乗車人数の違い
ルーミーが全長3.7mクラスであるのに対し、シエンタやフリードは全長4.2m〜4.3mクラスとなります。このサイズアップにより、3列目シートを備えた6人乗りや7人乗りのモデルが選択可能になります。チャイルドシートを乗せても、祖父母を乗せて出かけるといった使い方ができるのは大きなメリットです。
ただし、ボディが大きくなる分、運転のしやすさや小回りの利きやすさはルーミーに軍配が上がります。狭い路地での運転や駐車に不安がある場合は、このサイズの違いがデメリットに感じる可能性もあります。
価格帯もルーミーより一段階高くなるため、予算や使用用途を明確にして検討することが大切です。
比較車はフリードやシエンタ

前述の通り、ルーミーの比較車として、ワンランク上のフリードやシエンタが候補に挙がることがよくあります。これらの車種は、特に「将来的な家族構成の変化」や「多人数での利用シーン」を考慮する際に有力な選択肢となります。
フリードの特徴
ホンダのフリードは「ちょうどいい」をコンセプトに、運転しやすいサイズ感と使い勝手の良い室内空間を両立させています。特に、ウォークスルーのしやすさや3列目シートの居住性には定評があります。2列目シートがキャプテンシート仕様(6人乗り)を選べるのも特徴で、後席の快適性を重視する方におすすめです。
シエンタの特徴
トヨタのシエンタは、個性的なデザインと優れた燃費性能が魅力です。ハイブリッドモデルの燃費はクラストップレベルで、維持費を抑えたい方に適しています。3列目シートを2列目シートの下に格納できる「ダイブイン格納」機能により、荷室をフラットで広々と使える点も大きなメリットです。
ルーミーと比較した場合、これらの車種は走行安定性やパワーにも余裕があります。高速道路を走行する機会が多い方や、荷物をたくさん積んで出かけることが多い方は、フリードやシエンタを試乗してみる価値があるでしょう。
ルーミーに似てる車との徹底比較
- ソリオとルーミーは同じ車ですか?
- ルーミーとソリオはどっちが人気ですか?
- ルーミーとシエンタどっちがいい?
- 結局買うならどっちがいい?
- 自分に合うルーミーに似てる車を見つけよう
ソリオとルーミーは同じ車ですか?

結論から言うと、ソリオとルーミーは全く違う車です。外観やコンセプトが似ているため混同されがちですが、開発・製造メーカーから設計思想まで、多くの点で異なります。
設計とプラットフォーム
最も大きな違いは、車の土台となるプラットフォームです。
- ルーミー: ダイハツの小型車向けプラットフォーム「DNGA(Daihatsu New Global Architecture)」をベースにしています。
- ソリオ: スズキの小型車向けプラットフォーム「HEARTECT(ハーテクト)」を採用しています。
このプラットフォームの違いが、乗り心地や走行安定性、室内のパッケージングにそれぞれのメーカーの個性を与えています。
エンジンとパワートレイン
前述の通り、搭載されるエンジンも異なります。ルーミーが1.0Lエンジンであるのに対し、ソリオは1.2Lエンジンを基本としています。さらに、ソリオには独自のハイブリッドシステムが用意されており、これが最大の違いと言えます。
項目 | トヨタ ルーミー | スズキ ソリオ |
開発メーカー | ダイハツ | スズキ |
プラットフォーム | DNGA | HEARTECT |
エンジン排気量 | 1.0L | 1.2L |
ハイブリッド | なし | あり(マイルド/フル) |
後席シート | 6:4分割可倒式 | 5:5分割可倒式 |
このように、両車は似て非なる存在です。それぞれの強みと弱みを理解した上で比較検討することが、後悔しない車選びの鍵となります。
ルーミーとソリオはどっちが人気ですか?

販売台数という指標で見ると、ルーミーの方がソリオよりも人気が高い、という結果になります。
一般社団法人日本自動車販売協会連合会が発表する販売台数ランキングを見ると、ルーミーは常に上位にランクインしており、コンパクトカーの中でもトップクラスの販売実績を誇ります。2023年の年間販売台数では、ルーミーが10万台以上を記録し、乗用車全体でも5位に入るほどの人気でした。
一方で、ソリオも月間販売目標を安定して達成しており、決して人気がないわけではありません。2023年の年間販売台数は約4万8千台で、ランキングでは18位でした。
なぜルーミーの方が売れているのか?
この販売台数の差には、いくつかの理由が考えられます。 最大の要因は、トヨタの強力な販売網です。全国に広がる多数の販売店を通じて、多くの顧客にアプローチできる点がルーミーの強みとなっています。
また、トヨタブランドへの信頼感や、兄弟車であるダイハツ・トール、スバル・ジャスティの台数を合わせると、このプラットフォームを持つ車の市場での存在感はさらに大きくなります。
ただし、販売台数が多いからといって、全ての面でルーミーが優れているわけではありません。前述の通り、ソリオには走行性能や独自のハイブリッドシステムといった魅力があり、自動車評論家など専門家からの評価は非常に高いものがあります。
ルーミーとシエンタどっちがいい?

ルーミーとシエンタは、同じトヨタから販売されているため、どちらを選ぶべきか悩むケースは少なくありません。この2台は、ボディサイズや乗車定員が異なるため、使用目的を明確にすることで、どちらが適しているかが見えてきます。
選ぶ際の判断基準
以下に、それぞれの車種がどのような方におすすめかをまとめました。
ルーミーがおすすめな人
- 主に運転するのは1人~2人で、街乗りが中心
- 運転に自信がなく、とにかく小回りが利く車がいい
- 狭い道や駐車場を利用する機会が多い
- 購入費用や維持費をできるだけ抑えたい
- 3列目シートは必要ない
シエンタがおすすめな人
- 3人以上の家族で乗る機会が多い
- 祖父母など、5人以上で出かけることがある
- チャイルドシートを装着した上で、さらに荷物をたくさん積みたい
- 高速道路を使った長距離移動が多い
- 将来的な家族構成の変化に対応できる車が欲しい
要するに、日常の足としての使い勝手と経済性を最優先するならルーミー、家族全員での外出やレジャーまで一台でこなしたいならシエンタ、という選択が合理的です。シエンタは3列シートだけでなく、広い荷室を持つ2列シート5人乗り仕様も選べるため、ライフスタイルに合わせて柔軟な選択が可能です。
結局買うならどっちがいい?

これまで比較してきた車種の中から、最終的に「買うならどっちがいい?」と問われれば、その答えは「あなたのカーライフで最も重視するポイントは何か」によって決まります。
それぞれの車の特徴を踏まえ、どのような価値観を持つ人にどの車が向いているのかを整理します。
コストパフォーマンスを最優先するなら
購入時の車両本体価格や、毎年の自動車税といった維持費を最も重視するなら、1.0Lエンジンを搭載するルーミー(またはその兄弟車)が最適な選択肢です。シンプルな構造で、価格設定も魅力的です。
燃費性能と先進性を求めるなら
毎日の走行距離が長く、少しでも燃料代を節約したい、そしてEV走行のような静かな走りを体験したいと考えるなら、独自のハイブリッドシステムを持つソリオがおすすめです。特にフルハイブリッドモデルは、燃費性能で大きなアドバンテージがあります。
走行性能や乗り心地を重視するなら
街乗りだけでなく、高速道路や山道など、さまざまな道を余裕をもって走りたいなら、パワーに勝る1.2Lエンジンを搭載するソリオや、さらに車格が上のシエンタやフリードが適しています。ボディ剛性や足回りの設計も、走行安定性に貢献します。
多人数での乗車や積載量を考えるなら
家族や友人を乗せて出かける機会が多い、あるいは大きな荷物やアウトドア用品を積むことを想定しているなら、3列シート仕様も選べるシエンタやフリードが間違いのない選択です。室内空間の絶対的な広さが、快適な移動を約束します。
最終的には、各車種のカタログスペックを比較するだけでなく、実際に販売店で試乗し、ご自身の目と体で使い勝手や乗り心地を確かめることが、後悔のない一台を選ぶ上で最も大切です。
自分に合うルーミーに似てる車を見つけよう
この記事では、トヨタのルーミーに似てる車について、さまざまな角度から比較・解説してきました。最後に、今回の重要なポイントをまとめます。
- ルーミーに似た車を探すなら、まずスズキのソリオが比較対象になる
- ルーミーの直接のライバルはスズキのソリオである
- ダイハツのトールやスバルのジャスティは、ルーミーの兄弟車にあたる
- ルーミーとソリオは開発メーカーも設計も異なる全く別の車
- ルーミーは1.0Lエンジン、ソリオは1.2Lエンジン+ハイブリッドが特徴
- 燃費性能を重視するならソリオのハイブリッドが有利
- 自動車税などの維持費を抑えたい場合はルーミーにメリットがある
- 販売台数ではトヨタの販売網を活かしたルーミーが圧倒的に多い
- 走行性能や乗り心地の評価ではソリオが優位という意見もある
- 5人以上で乗るなら、ワンランク上のシエンタやフリードが選択肢となる
- シエンタは3列シート仕様があり、多人数乗車に対応可能
- フリードも3列シートが選べ、後席の快適性に定評がある
- 街乗り中心で小回りの利きやすさを求めるならルーミーが最適
- 将来の家族構成の変化まで見据えるならシエンタやフリードが安心
- 最終的な判断は、試乗して自分の使い方に合うかを確認することが鍵となる