トヨタ「ルーミー」の購入を検討する際、「実際に5人乗ってみた広さや使い勝手はどうなのだろうか」と考える方は少なくありません。コンパクトな見た目でありながら、室内空間の広さを特徴とするルーミーですが、実際の使用感は気になるところです。
特に、大人5人での乗車は狭いのではないかという懸念や、子育て世代にとっての利便性、高速走行時の安全性やパワー不足に関する口コミ、評価は事前に確認しておきたいポイントです。
また、カタログ燃費と実燃費の差や、購入後に後悔しないための注意点、ダメなところはどこか、といった具体的な情報も求められています。中には、競合車であるシエンタとどちらがいいか迷う方もいるでしょう。
この記事では、そうした疑問を解消するため、ルーミーに5人乗ってみた際のリアルな使用感を、さまざまな角度から徹底的に解説します。
この記事を読むことで、以下の点が明確になります。
- 5人乗車時における室内のリアルな広さと快適性
- 高速道路や坂道での走行性能と安全機能の詳細
- カタログ燃費と実際の燃費、およびその理由
- 購入後に後悔しないために知っておくべき長所と短所
ルーミーに5人乗ってみた実際の広さ
- 実際の口コミ・評判はどうなの?
- 大人5人だとやっぱり狭い?
- 子育て世代に便利なスライドドア
- 便利なシートアレンジと荷室の広さ
- シンプルで安っぽく見える内装
実際の口コミ・評判はどうなの?

ルーミーの実際の使用感について、利用者からはさまざまな声が寄せられています。購入を検討する上で、これらのリアルな口コミや評判は非常に参考になります。
良い評価としては、「コンパクトなボディサイズなのに室内が驚くほど広い」という点が最も多く挙げられます。特に、頭上空間のゆとりは圧迫感がなく、快適に過ごせるという意見が見られます。
また、「スライドドアが子どもの乗り降りに便利で、狭い駐車場でも安心できる」といった、子育て世代からの支持も厚いです。荷室の広さやシートアレンジの多様性を評価する声もあり、自転車のような大きな荷物も積める点をメリットと感じているユーザーは多いようです。
一方で、ネガティブな評判も存在します。最も指摘が多いのは、「NAエンジンモデルのパワー不足」です。
特に、大人数での乗車時や坂道、高速道路の合流などでは「加速が物足りない」「エンジン音が気になる」と感じることがあるようです。さらに、内装に関しても「軽自動車のようで質感がチープ」「もう少し高級感が欲しい」といった意見が散見されます。これは、機能性を重視したシンプルなデザインと、コストを抑えた素材選びが影響していると考えられます。
このように、ルーミーの評価は利用シーンや何を重視するかによって大きく分かれる傾向があります。
大人5人だとやっぱり狭い?

ルーミーの乗車定員は5人ですが、「大人5人が快適に乗れるのか」という点は、多くの方が気にするポイントです。
結論から言うと、短時間の街乗りであれば大人5人での乗車も可能ですが、長距離の移動では窮屈さを感じる可能性が高いでしょう。ルーミーの室内寸法は、長さ2,180mm、幅1,480mm、高さ1,355mmと、コンパクトカーとしては非常に広い空間を確保しています。前席は左右独立しており、大柄な方でもゆったりと座ることが可能です。
問題となるのは後部座席です。後部座席に大人3人が乗車する場合、横幅が1,480mmであるため、一人ひとりの肩のスペースにはほとんど余裕がありません。特に体格の良い男性が3人並ぶと、かなり密着した状態になります。
そのため、数十分程度の移動であれば我慢できる範囲かもしれませんが、1時間を超えるようなドライブでは、同乗者にストレスを与えてしまうことが考えられます。
したがって、日常的に4人以下で乗ることが多く、たまに5人で短距離を移動するという使い方であれば問題ありません。しかし、頻繁に大人5人で長距離を移動する機会がある家庭では、少し手狭に感じられることを理解しておく必要があります。
子育て世代に便利なスライドドア

ルーミーが子育て世代から絶大な支持を得ている理由の一つに、両側スライドドアの採用が挙げられます(一部グレードを除く)。この機能は、日々のさまざまなシーンで大きなメリットをもたらします。
まず、狭い駐車スペースでの乗り降りが格段に楽になります。スーパーや商業施設の駐車場で、隣の車にドアをぶつけてしまう心配(ドアパンチ)がなくなるため、親は安心して子どもを乗り降りさせることができます。
子どもが勢いよくドアを開けてしまう心配から解放されるのは、精神的にも大きな利点です。
また、子どもを抱っこしたままでも、ワンタッチでドアの開閉ができるパワースライドドアは非常に便利です。雨の日や荷物で両手がふさがっている時でも、スムーズに乗車できます。
さらに、ルーミーは床が低く設計されているため、小さなお子さんでも自分で楽に乗り降りできる点も魅力です。
室内の天井高も1,355mmと余裕があるため、車内で子どもの着替えをさせたり、チャイルドシートに乗せたりする際の動作もスムーズに行えます。これらの特徴から、ルーミーは子育てにおける日常的なストレスを軽減してくれる、頼もしいパートナーになると考えられます。
便利なシートアレンジと荷室の広さ

ルーミーの魅力は、コンパクトな見た目からは想像できないほどの積載能力と、それを支える多彩なシートアレンジにあります。日常の買い物からレジャーまで、幅広い用途に対応できる柔軟性が特徴です。
後部座席は6:4の分割可倒式になっており、乗車人数や荷物の大きさに合わせて片側だけを倒すことも可能です。これにより、4人乗車しながらでもベビーカーやゴルフバッグのような長さのある荷物を積むことができます。
さらに、後部座席を前方に格納する「ダイブイン格納」を行えば、広大な荷室空間が出現します。この状態にすれば、27インチの自転車も積載可能で、アウトドア用品やDIYの資材など、大きな荷物を運ぶ際にも活躍します。
荷室の床面には汚れにくい素材を使用した多機能デッキボードが備わっており、泥のついた荷物を積む際にも安心です。
また、前席の背もたれを倒し、後部座席をリクライニングさせれば「フルフラットモード」になり、車内で足を伸ばして休憩したり、仮眠をとったりすることもできます。このように、ルーミーは乗る人のライフスタイルに合わせて空間を自由自在に変化させられる、非常に実用性の高い一台と言えます。
シンプルで安っぽく見える内装

ルーミーの購入を検討する上で、デメリットとして挙げられがちなのが内装の質感です。多くの口コミで「軽自動車のようで安っぽい」「プラスチック感が強い」といった指摘が見られます。
この理由として、ルーミーがダイハツ「トール」のOEM供給モデルであることが関係しています。開発・生産を手掛けるダイハツは、軽自動車やスモールカーづくりを得意とするメーカーであり、コストを抑えながらも機能的な空間を実現することに長けています。
ルーミーの内装は、まさにその思想が反映されたもので、加飾は最小限に抑えられ、インパネ周りは硬質なプラスチック素材が多用されています。
もちろん、機能性という観点では、収納スペースが豊富に用意されているなど、よく考えられた設計です。しかし、近年はコンパクトカーでもソフトパッドを使用したり、デザイン性を高めたりしたモデルが増えているため、それらと比較すると見劣りしてしまうのは否めません。
ただし、上級グレードの「カスタム」シリーズでは、メッキ加飾や専用シート表皮が採用され、標準グレードよりは質感が向上しています。内装の高級感を重視する方は、標準グレードとカスタムグレードの両方を実車で比較検討することをおすすめします。
ルーミーで5人乗ってみた走行性能と判断
- 高速は怖い?気になる安全性と走り
- カタログ値と実燃費の違いは?
- 購入前の注意点、ダメなところは?
- 競合車比較、シエンタどっちがいいか迷う?
- 小回りが利くコンパクトなサイズ
- まとめ:ルーミーに5人乗ってみた結論
高速は怖い?気になる安全性と走り

ルーミーの走行性能、特に高速道路での安定性や安全性については、搭載されているエンジンによって評価が大きく分かれます。
パワーユニットと走行フィール
ルーミーには、1.0LのNA(自然吸気)エンジンと、同じく1.0Lのターボエンジンの2種類が用意されています。 NAエンジンは最高出力69馬力で、車両重量が1tを超えるルーミーを動かすには、正直なところ力不足を感じる場面があります。
特に、大人5人乗車時や急な登坂路、高速道路での合流や追い越しといったシーンでは、アクセルを深く踏み込んでも思ったような加速が得られず、エンジン音が大きく響くことがあります。
一方で、ターボエンジンは最高出力98馬力を発生し、1.5Lクラスのエンジンに相当する力強いトルクが特徴です。こちらを選べば、多人数乗車時や高速走行でもストレスの少ない、余裕のある走りを実現できます。
走行安定性と安全性
ルーミーは車高が高いハイトワゴンであるため、高速走行時の横風にはやや弱い傾向があります。強い風を受けると車体がふらつくように感じることがあり、「怖い」と感じる要因の一つになっています。
ただし、安全性については、先進の予防安全機能「スマートアシスト」が全車に標準装備されており、この点は大きな安心材料です。
衝突警報機能や衝突回避支援ブレーキ機能、車線逸脱警報機能などが備わっており、万が一の事態を未然に防ぐサポートをしてくれます。これらの機能があるため、パワー不足や車体のふらつきといった物理的な弱点を、システムが補ってくれる側面もあります。
カタログ値と実燃費の違いは?

燃費性能は、車を維持していく上で非常に重要な要素です。ルーミーにはハイブリッド設定がなく、ガソリンエンジンのみのラインナップとなっています。
カタログに記載されているWLTCモード燃費は、NAエンジンの2WD車で18.4km/L、ターボ車や4WD車で16.8km/Lです。これは近年のコンパクトカーとしては、決して優れた数値とは言えません。
さらに、実際の燃費(実燃費)は、カタログ値を下回る傾向にあります。利用者の口コミを見ると、街乗り中心で13km/L前後という報告が多く、カタログ値との乖離が見られます。
燃費が悪化する主な理由として、1tを超える車重に対してエンジン排気量が小さいため、発進・加速時などにエンジンに負荷がかかりやすい点が挙げられます。特に、多人数乗車や荷物を多く積んだ状態では、アクセルを踏み込む機会が増え、燃費はさらに悪化しがちです。
競合車であるスズキ「ソリオ」が、マイルドハイブリッドを搭載し、WLTCモード燃費で22.3km/L(HYBRID MZ 2WD)を達成していることを考えると、燃費性能を最優先する方にとっては、ルーミーは物足りなく感じるかもしれません。
購入前の注意点、ダメなところは?

ルーミーは多くの魅力を持つ一方で、購入後に「後悔した」とならないために知っておくべき注意点や、いわゆる「ダメなところ」も存在します。
まず、これまで述べてきた点をまとめると、以下の4点が主な注意点として挙げられます。
- NAエンジンのパワー不足:多人数での利用や高速道路の走行が多い場合は、ターボモデルの試乗を強く推奨します。
- 安っぽさを感じる内装:高級感や質感を求める方には向きません。実車を確認し、許容範囲かどうかを判断することが大切です。
- 期待を下回る可能性のある燃費:ハイブリッド車のような低燃費は期待できません。走行シーンによってはガソリン代が想定よりかかる可能性があります。
- 車高の高さに起因する走行安定性:高速走行時の横風の影響を受けやすい点は理解しておく必要があります。
これらの点は、ルーミーが「街乗り中心で、走りや高級感よりも、広さ、利便性、価格の手頃さを重視するファミリー層」をメインターゲットに開発された車であることの裏返しでもあります。
したがって、スポーティな走りや上質な内外装、優れた燃費性能を車に求める方がルーミーを選ぶと、ミスマッチが生じやすくなります。自身のカーライフや車に求める優先順位を明確にし、ルーミーの特性がそれに合致するかを慎重に見極めることが、後悔しないための鍵となります。
競合車比較、シエンタどっちがいいか迷う?

ルーミーを検討する際、比較対象としてよく名前が挙がるのが、スズキ「ソリオ」と、同じトヨタの「シエンタ」です。それぞれに特徴があり、どちらを選ぶべきかはライフスタイルによって異なります。
直接のライバル「スズキ ソリオ」
ソリオは、ルーミーと全く同じコンセプトを持つ直接のライバルです。両車はサイズ感や使い勝手が非常に似ていますが、大きな違いはパワーユニットにあります。
ソリオは全グレードでマイルドハイブリッドを搭載しており、燃費性能ではルーミーを上回ります。走行フィールもモーターアシストにより、より滑らかで静かです。
一方、ルーミーにはソリオにはないターボエンジンの設定があり、力強い走りを求めるならルーミーに軍配が上がります。
ひとつ上のクラス「トヨタ シエンタ」
シエンタは、ルーミーより一回り大きいコンパクトミニバンです。最大の違いは、シエンタには3列シートの7人乗り(または5人乗り)仕様がある点です。
日常的に5人以上で乗る機会があるなら、シエンタが選択肢となります。また、シエンタはハイブリッドシステムの燃費性能が非常に高く、乗り心地や静粛性もルーミーより上質です。ただし、その分、車両価格はルーミーよりも高価になります。
以下に3車種の主な違いを表にまとめます。
車種 | トヨタ ルーミー | スズキ ソリオ | トヨタ シエンタ |
ボディタイプ | コンパクトハイトワゴン | コンパクトハイトワゴン | コンパクトミニバン |
乗車定員 | 5人 | 5人 | 5人 / 7人 |
パワーユニット | ガソリン / ターボ | マイルドハイブリッド | ガソリン / ハイブリッド |
WLTC燃費 | 16.8~18.4km/L | 19.6~22.3km/L | 18.3~28.8km/L |
価格帯(目安) | 約156万円~ | 約164万円~ | 約195万円~ |
特徴 | ターボ設定あり、価格が手頃 | 燃費性能が高い | 3列シート設定あり、上質 |
5人乗りで、価格と走りの力強さを重視するならルーミー、燃費を最優先するならソリオ、乗車人数や乗り心地の質を求めるならシエンタ、というように、ご自身の使い方と予算に合わせて選ぶのが良いでしょう。
小回りが利くコンパクトなサイズ

ルーミーの大きなメリットの一つが、その取り回しの良さです。広い室内空間を持つ一方で、ボディサイズは非常にコンパクトにまとめられており、運転のしやすさは特筆すべき点です。
ルーミーの最小回転半径は4.6m(一部グレードは4.7m)です。これは、多くの軽自動車と同等レベルの数値であり、いかに小回りが利くかを示しています。このおかげで、狭い路地でのすれ違いやUターン、車庫入れなどが非常に楽に行えます。
特に、都市部のように道が狭く、駐車スペースも限られている環境では、このコンパクトさが大きな強みとなります。運転席からの視界も広く、車両感覚が掴みやすいため、運転に苦手意識がある方や、軽自動車から普通車へ乗り換える方でも、すぐに慣れることができるでしょう。
スーパーへの買い物や子どもの送り迎えといった日常的なシーンで、ストレスなく運転できることは、日々のカーライフの質を大きく向上させます。広さと運転しやすさという、相反する要素を高いレベルで両立させている点が、ルーミーが多くのユーザーに選ばれる理由の一つです。
まとめ:ルーミーに5人乗ってみた結論
この記事では、トヨタ「ルーミー」に5人で乗車した際の広さや走行性能、購入前に知っておくべき注意点について多角的に解説しました。最後に、本記事の重要なポイントをまとめます。
- ルーミーの乗車定員は5人
- 大人5人での乗車は短距離なら可能だが長距離は窮屈
- 後部座席に大人3人が乗ると横幅に余裕はない
- 口コミでは室内の広さやスライドドアの利便性が高く評価されている
- 一方でNAエンジンのパワー不足や内装の質感を指摘する声も多い
- 子育て世代にとっては低床スライドドアや広い室内は大きな魅力
- シートアレンジが多彩で大きな荷物も積載可能
- NAエンジンは登坂路や高速道路での加速が物足りないことがある
- 力強い走りを求めるならターボエンジンの選択が推奨される
- 車高が高いため横風の影響を受けやすいが安全装備は充実している
- 実燃費は街乗りで13km/L前後とカタログ値より低い傾向にある
- 競合車のソリオと比較すると燃費性能では劣る
- 購入時は自身の利用シーンと車の特性が合っているか見極めが肝心
- 最小回転半径は軽自動車並みで小回りが利き運転しやすい
- 価格、広さ、利便性を重視する街乗り中心のユーザーに最適な一台
