ランクル70復刻車がオートマ化した理由は？再再販の真実を徹底解説

2023年11月、待望の再再販を果たしたランドクルーザー70は、シリーズ初となる6速オートマチックトランスミッションの採用で大きな話題となりました。

多くのファンが注目する一方で、燃費や維持費に関する懸念や中古市場での価格高騰、再再販モデルの評価や評判などが盛んに議論されています。

また、日常使いにおけるサイズ感やディーゼルエンジンの特性、そして抽選販売や受注停止といった入手難易度についても気になるところでしょう。本記事では、これらの疑問を一つひとつ解消し、現代に蘇った名車の実像に迫ります。

ランクル70復刻オートマの進化と性能

待望の6速AT採用とそのメリット

2023年に登場した復刻モデルの最大の特徴は、これまでのマニュアルトランスミッション（MT）専用という硬派なイメージを覆し、6速オートマチックトランスミッション（6AT）を採用した点にあります。この変更は、ランドクルーザー70の歴史において極めて大きな転換点となりました。

採用されたトランスミッションは「6 Super ECT」と呼ばれ、ランドクルーザープラドやハイラックスといった他のトヨタ車ですでに高い実績と信頼性を誇るユニットです。

単に操作が楽になっただけではなく、オフロード走行においても、エンジンの動力を途切れさせることなくタイヤに伝え続けられるため、ドライバーはステアリング操作や路面状況の確認に集中できるという大きなメリットが生まれました。

特に、岩場やぬかるみなどの厳しい路面状況では、クラッチ操作に気を取られることなく、アクセルワークのみで駆動力の調整ができるため、走破性の向上にも寄与しています。

また、オートマチック化によって、AT限定免許を持つドライバーでも運転が可能となり、家族間での共有もしやすくなっています。これまで「マニュアル車は運転できない」という理由でランクル70の購入を諦めていた家庭にとって、この変化は決定的な購入動機となり得ます。

渋滞時の疲労軽減や、クリープ現象を利用した極低速走行の容易さなど、日常の使い勝手も飛躍的に向上しました。このように、6ATの採用はランクル70の「道具としての信頼性」を損なうことなく、現代の交通環境に適応させた合理的な進化と言えるでしょう。

ディーゼルエンジンの力強いトルク

今回の復刻モデルでは、パワートレインも一新され、2.8L直列4気筒ディーゼルターボエンジン「1GD-FTV」が搭載されました。このエンジンは、低回転域から湧き上がるような太いトルクが持ち味で、重量級のボディを軽々と加速させます。

スペックを確認すると、最高出力は150kW（204PS）、最大トルクは500N・m（51kgf・m）を発揮します。特筆すべきは、最大トルクをわずか1,600回転から2,800回転という低い回転数で発生させる点です。これにより、発進時や登坂路、あるいは重い荷物を積載した状態でも、アクセルを深く踏み込むことなく力強く前進することができます。

高速道路での合流や追い越し加速においても、ディーゼル特有の力強さを感じることができ、2.3トンの車重を意識させない軽快な走りを提供します。

ガソリンエンジンを搭載していた2014年の再販モデルと比較すると、馬力こそ控えめですが、トルクの数値は大幅に上回っています。この「低回転・高トルク」という特性は、オフロードでの走破性はもちろん、街中でのストップ＆ゴーにおいてもストレスのない走りを実現します。

また、尿素SCRシステムを採用することで排出ガスもクリーンになり、環境性能にも配慮された現代的なディーゼルエンジンに仕上がっています。ただし、一定の走行距離ごとに「AdBlue（アドブルー）」と呼ばれる尿素水の補充が必要になる点は、ディーゼル車特有の維持管理として留意しておく必要があります。

燃費はリッター10kmと大幅改善

かつてのランドクルーザー70と言えば、「燃費が悪い」というイメージを持つ方も少なくありませんでしたが、今回のモデルではその点が劇的に改善されています。オートマチックトランスミッションと効率の良いクリーンディーゼルエンジンの組み合わせにより、経済性は大きく向上しました。

カタログスペックにおけるWLTCモード燃費は10.1km/Lを記録しています。内訳を見ると、市街地モードでは8.0km/L、郊外モードでは10.5km/L、高速道路モードでは11.0km/Lとなっており、車両重量が2.3トンにも達する本格的な四輪駆動車としては、非常に優秀な数値と考えられます。

実走行においても、信号の少ない郊外や高速道路ではカタログ値に近い、あるいはそれを上回る燃費を記録するケースも報告されており、長距離移動における燃料コストの削減が期待できます。

さらに、使用燃料が軽油であることも経済的なメリットの一つです。ガソリンと比較して単価が安いため、長距離を走るユーザーほどその恩恵を感じられるはずです。燃料タンク容量は130Lと非常に大きく確保されており、計算上は一度の満タン給油で1,000km以上を走行することも夢ではありません。

例えば、東京から九州まで無給油で到達できるほどの航続性能を持っており、この長い航続距離は、給油所の少ない地域への遠征や、災害時の備えとしても心強い要素となります。

最新の安全装備で安心のドライブ

1984年の基本設計を受け継ぐランクル70ですが、安全性能に関しては現代の基準に合わせて大幅なアップデートが施されました。今回の復刻モデルでは、トヨタの予防安全パッケージ「Toyota Safety Sense」が標準装備されています。これにより、以前のモデルでは考えられなかったような高度な安全支援を受けることが可能になりました。

具体的には、ミリ波レーダーと単眼カメラを併用した「プリクラッシュセーフティ」が搭載されており、車両だけでなく、昼夜の歩行者や昼間の自転車運転者も検知して衝突回避や被害軽減をサポートします。

また、車線逸脱を警報する「レーンディパーチャーアラート」や、ハイビームとロービームを自動で切り替える「オートマチックハイビーム」なども備わっています。これらの機能は、長距離ドライブ時の疲労による集中力低下をカバーし、事故のリスクを低減する役割を果たします。

加えて、信号待ちなどで先行車の発進を知らせる機能や、道路標識をディスプレイに表示する「ロードサインアシスト」など、運転をサポートする機能も充実しています。ただし、構造上の理由から、ハンドル操作を自動で支援するレーントレーシングアシストや、全車速追従機能付きのクルーズコントロールなどは搭載されていません。

これは、悪路走破性を優先した油圧式のパワーステアリング機構を採用しているためです。それでも、以前のモデルにはなかった高度な安全装備が備わったことで、普段使いの安心感は格段に高まったと言えます。

ボディサイズと積載性のスペック

ランドクルーザー70のボディサイズは、日本の道路事情においても何とか取り回しが可能な範囲に収められています。全長4,890mm、全幅1,870mm、全高1,920mmという堂々たる体躯は、圧倒的な存在感を放ちます。

項目	数値
全長	4,890 mm
全幅	1,870 mm
全高	1,920 mm
車両重量	2,300 kg
最小回転半径	6.3 m

全幅は1.9メートル近くありますが、ボディ形状がスクエアで見切りが良く、ボンネットの端も確認しやすいため、車両感覚は掴みやすいのが特徴です。運転席からの視点も高く、遠くまで見通せるため、数値ほどの大きさは感じにくいかもしれません。

ただし、最小回転半径は6.3mと一般的な乗用車に比べてかなり大きめなので、狭い駐車場や路地での取り回し、Uターンなどには注意が必要です。切り返しが必要になる場面も多くなるため、購入前に自宅周辺の道路環境を確認することをお勧めします。

積載性に関しては、商用バンとしての出自を持つだけあり、非常に広大なラゲッジスペースを持っています。後席をタンブル（折りたたみ）させれば、さらに広大な荷室が出現し、キャンプ道具やアウトドアギアなどを満載にすることが可能です。開口部も広く、重い荷物の積み下ろしも考慮された設計となっており、実用性は極めて高いと言えます。

なお、このモデルは「1ナンバー（普通貨物自動車）」登録となるため、車検が毎年必要になる点や、高速道路料金区分が中型車扱いになる点など、維持費の面で3ナンバーの乗用車とは異なる特徴があることも理解しておく必要があります。

2014年再販モデルとの比較と違い

2014年に期間限定で販売されたモデル（GRJ76）と、2023年の復刻モデル（GDJ76）を比較すると、そのキャラクターの違いが明確になります。最大の違いはやはりパワートレインの構成です。

比較項目	2014年モデル (GRJ76)	2023年モデル (GDJ76)
エンジン	4.0L V6ガソリン	2.8L 直4ディーゼルターボ
トランスミッション	5速マニュアル (5MT)	6速オートマチック (6AT)
最高出力	231 PS	204 PS
最大トルク	360 N・m	500 N・m
燃費 (JC08/WLTC)	6.6 km/L (JC08)	10.1 km/L (WLTC)
安全装備	なし	Toyota Safety Sense搭載

2014年モデルは、ハイオクガソリン仕様のV6エンジンとマニュアルトランスミッションを組み合わせた、趣味性の高い構成でした。「運転することそのもの」を楽しむマニア向けの仕様と言えるでしょう。

対して2023年モデルは、経済的なディーゼルエンジンとオートマチック、そして先進安全装備を採用し、より実用的で幅広いユーザーが扱いやすい仕様へと進化しています。ハイオクガソリンから軽油への変更による燃料代の節約効果も大きく、日常的な足として使いやすくなりました。

外観においても、2023年モデルは丸目のヘッドライトを採用し、往年のスタイルを彷彿とさせるデザインに回帰しました。フロントグリルやバンパーのデザインも変更され、クラシカルな雰囲気を強調しています。

一方で、ボンネットの形状などは現代のエンジンや安全装備のセンサー類を収めるために変更されており、新旧の要素が巧みに融合されています。内装においても、メーターパネルのデザイン変更やUSBポートの追加など、現代的な利便性が考慮されたアップデートが施されています。

ランクル70復刻オートマの価格と市場

480万円という新車価格の設定

2023年モデルのランドクルーザー70は、「AX」という単一グレードで展開されており、車両本体価格は480万円（税込）に設定されました。この価格には、前述したディーゼルエンジン、6速AT、そしてToyota Safety Senseといった主要装備がすべて含まれています。

オプションで追加する必要がある装備は少なく、フロアマットやナビゲーションシステムなどを除けば、車両本体価格のままでほぼ完成された状態と言えます。

昨今の自動車価格の高騰や、原材料費の上昇を考慮すると、本格的なラダーフレームを持つ四輪駆動車として、この価格設定は戦略的かつ割安感があるとも受け取れます。同じランドクルーザーシリーズの300系や250系と比較してもエントリー価格が低く抑えられており、「本物のオフローダー」を求める層にとっては非常に魅力的な提案でした。

電子制御満載の高級SUVとは異なり、必要な機能に絞り込んだ質実剛健な作りが、コストパフォーマンスの高さに繋がっています。

しかし、この「手の届きやすい価格」と「オートマ化による敷居の低下」が重なったことで、発売直後から注文が殺到することになりました。

多くのユーザーが「この内容で480万円なら安い」と判断した結果、メーカーの想定を遥かに超える需要が発生し、入手困難な状況を生み出す一因ともなっています。皮肉にも、魅力的な価格設定こそが、購入難易度を高める要因の一つとなってしまったのです。

受注停止が続く深刻な供給不足

現在、「ランクル70が欲しい」と思っても、正規ディーラーで新車を注文することは極めて困難な状況が続いています。発売直後から膨大なバックオーダーを抱え、多くの販売店で受注停止（オーダーストップ）の措置が取られました。

この背景には、世界的な半導体不足の影響や、ランドクルーザーシリーズ全体の生産能力の限界があります。特に70シリーズは、国連や赤十字などの国際機関、あるいはオーストラリアや中東などの過酷な環境下で使用される業務用車両としての需要が世界中で高く、日本国内向けの割り当て台数が限られているという事情もあります。

グローバルでの供給責任を果たすため、日本市場だけに多くの台数を回すことが難しいのです。

一部の販売店では公平を期すために抽選販売が行われましたが、その倍率は非常に高く、当選は狭き門となりました。メーカー側も増産に向けた努力を続けているとの情報もありますが、具体的な受注再開の時期については不透明な部分が多く、多くの購入希望者が待機状態を余儀なくされています。

また、盗難リスクの高い車両であることから、セキュリティ対策を含めた保管場所の確保など、購入以前の準備も必要とされる状況です。

中古車が新車より高い異常な事態

新車が買えないという状況は、中古車市場に歪な現象を引き起こしています。市場に出回っている2023年以降のモデル（登録済未使用車や低走行車）の価格を見ると、新車価格の480万円を大きく上回るプレミア価格で取引されているのが現状です。

具体的には、車両本体価格だけで700万円台後半から800万円を超える個体も珍しくありません。諸費用を含めた支払総額では新車価格の2倍近く、つまり900万円に迫るケースも見受けられます。これは、納車待ちをせずにすぐに手に入る現車に対して、数百万円単位の付加価値がついていることを意味します。

新車で購入できたオーナーが、即座に売却することで大きな利益を得られる状態となっており、これが投機的な動きを加速させています。

この異常な価格高騰は、純粋に車を必要とするユーザーにとっては大きな障壁です。しかし、どうしても今すぐランクル70に乗りたいという需要と、円安を背景とした海外への輸出需要なども絡み合い、高値安定の相場が形成されています。

このプレミア価格は、需要と供給のバランスが改善されるまで続く可能性が高く、購入を検討する際は、この市場価格と新車価格の乖離を十分に理解し、冷静な判断を下す必要があります。

よくある質問

現在、新車の注文は可能ですか？いつ頃再開されますか？

残念ながら、現時点では多くの正規ディーラーで受注停止（オーダーストップ）となっており、新規の注文はできない状況が続いています。生産能力を大幅に超える注文が殺到したためです。受注再開の時期についてはメーカーから公式なアナウンスはなく、未定となっています。どうしてもすぐに手に入れたい場合は、中古車市場や登録済未使用車を検討する必要がありますが、新車価格よりも高値で取引されている点に注意が必要です。

ボディサイズが大きいですが、街乗りでの運転は難しいですか？

全幅が約1.9m、最小回転半径が6.3mあるため、狭い路地や一般的なコインパーキングなどでは取り回しに苦労する場面があるかもしれません。しかし、ボディ形状がスクエア（箱型）で見切りが良く、運転席の視点も高いため、車両感覚は非常に掴みやすい車です。「数値ほど運転しにくくない」という声も多いですが、購入前に自宅周辺の道路や駐車場のサイズを確認することを強くおすすめします。

ディーゼルエンジン特有のメンテナンスは必要ですか？

はい、必要です。今回の2.8Lディーゼルエンジン（1GD-FTV）は、排出ガスを浄化するために尿素SCRシステムを採用しています。そのため、燃料（軽油）とは別に「AdBlue（アドブルー）」という尿素水を定期的に補充する必要があります。AdBlueがなくなるとエンジンの再始動ができなくなるため、残量警告灯が点灯したら早めの補充が必要です。

維持費において、普通のSUVと違う点はありますか？

最大の違いは、この車が「1ナンバー（普通貨物自動車）」登録になる点です。一般的な3ナンバーの乗用車と異なり、車検（継続検査）を「1年ごと」に受ける必要があります。その分、毎年の自動車税は安くなりますが、車検の手間や費用が毎年発生する点や、高速道路の料金区分が「中型車」扱いとなり、普通車より割高になる点などは、購入前にシミュレーションしておくべきポイントです。

鉄壁のリセールが示す資産価値

中古車価格の高騰は、裏を返せば「資産価値の高さ」を証明しています。ランドクルーザーシリーズは伝統的にリセールバリューが高いことで知られていますが、今回の復刻70も例外ではありません。むしろ、歴代モデルの中でもトップクラスの資産価値を維持し続けると予測されています。

一般的な乗用車であれば、購入後の数年で価値は大きく目減りしていきます。しかし、ランクル70の場合は、購入から数年が経過しても、走行距離が極端に多くなければ、新車価格に近い価格、あるいはそれを上回る価格で買取される可能性が十分にあります。

特に今回のモデルは、オートマチック化によって需要の裾野が広がったため、マニアだけでなく一般層からの引き合いも強く、中古車市場での人気も長期的に安定すると見込まれます。

もちろん、現在のようなバブル的な相場が永遠に続く保証はありませんが、一般的な車と比較すれば、値落ちのリスクは極めて低いと言えます。「乗れる資産」として捉えることができるのも、ランドクルーザー70ならではの大きな魅力の一つです。

万が一手放すことになったとしても、高い金額で売却できるという安心感は、所有する上での大きなメリットとなるでしょう。

ランクル70復刻オートマの総評

今回の復刻モデルは、長年愛されてきた「信頼性」と「悪路走破性」というコアな価値を守りつつ、オートマチックや先進安全装備という「現代の利便性」を融合させた、非常に完成度の高い一台です。

これまでの「選ばれた人しか乗れない車」から、マニアだけでなく、より多くの人がその魅力を享受できるパッケージングへと進化を遂げました。

一方で、その人気ゆえに新車での入手は困難を極め、中古車市場ではプレミア価格での購入を検討せざるを得ないという高いハードルも存在します。技術的には間違いなく「買い」の車ですが、市場環境を含めて考えると、購入にはある種の覚悟やタイミングの見極めが必要になるでしょう。

新車注文の再開を気長に待つか、あるいはプレミア価格を支払ってでも今すぐ手に入れるか、ユーザー自身の価値観が試される状況です。

それでも、この車が持つ唯一無二の世界観や、所有することの喜び、そしてリセールバリューまで含めたトータルな価値は、他のどの車でも代えがたいものです。流行に左右されないデザインと、地球上のどこへでも行けるという頼もしさは、オーナーのライフスタイルを豊かに彩ってくれることでしょう。

もし運良く手に入れる機会に恵まれたなら、それは長く付き合える最高のパートナーとなるはずです。

ランクル70の復刻がオートマ化した！に関するコラム

2023年に復刻を果たしたランドクルーザー70の最大の特徴は、シリーズの歴史において画期的な、信頼性の高い6速オートマチックトランスミッションが採用された点にあります。

このオートマ化によって、これまでマニュアル操作にハードルを感じていたAT限定免許のユーザーも運転が可能となり、家族間での車両共有も容易になるなど、その門戸は大きく広がりました。

パワートレインには、2.8Lの直列4気筒ディーゼルターボエンジンを搭載しており、低回転域から湧き上がるような強力なトルクを発揮するため、重量のあるボディでもストレスなく加速させることができます。経済性の面でも劇的な進化を遂げており、WLTCモード燃費は10.1km/Lという優秀な数値を記録しました。

使用燃料が軽油であるため、ガソリン車と比較してランニングコストが安く抑えられる点も大きなメリットです。さらに、燃料タンクは130Lという大容量を確保しており、理論上の航続距離は1,000kmを超えるため、長距離移動や災害時の備えとしても極めて高い実用性を誇ります。

車体サイズは全長約4.9m、全幅約1.9mという堂々とした体躯を持ちますが、スクエアなボディ形状と高いアイポイントにより視界は良好で、車両感覚は掴みやすい設計となっています。

また、現代の道路事情に合わせて安全性能も大幅にアップデートされ、プリクラッシュセーフティを含む「Toyota Safety Sense」が標準装備されました。これにより、2014年の再販モデルと比較して、より実用的で安心して日常使いができる現代的な仕様へと進化を遂げています。

市場面では、これだけの装備と機能を備えながら、新車価格は480万円という非常に割安な設定がなされました。しかし、その魅力的な価格と圧倒的な人気、そして生産能力の限界が重なり、現在は新車の受注停止が続く深刻な供給不足に陥っています。

その結果、中古車市場では新車価格を大きく上回るプレミア価格での取引が常態化しており、異常とも言える事態となっています。

この高い需要は一時的なものではなく、数年後においても高いリセールバリューを維持することが期待されています。日常の買い物から本格的なオフロード走行まで対応できる万能な一台であり、入手は極めて困難な状況ではありますが、所有した際の満足度と資産価値は極めて高い、唯一無二のモデルであると言えるでしょう。