フリードの中古車市場で「狙い目」の車両を探している方にとって、どのモデルを選べば失敗や後悔を避けられるのかは切実な問題ではないでしょうか。
相場や価格の動向を見ながら、燃費の良いハイブリッドにするか維持費の安いガソリン車にするか、あるいは前期と後期でどのような違いがあるのかなど、検討すべきポイントは多岐にわたります。
また、長く乗るつもりであればスライドドアの故障リスクや注意点も把握しておきたいところですし、リセールバリューを期待してクロスターなどの人気グレードを検討している方もいるかもしれません。
本記事では、こうした疑問を一つひとつ解消し、あなたにとって最適な一台を見つけるための情報を提供します。
- 予算や用途に合わせて、最もコストパフォーマンスの高い「狙い目」の年式やグレードが分かります
- ハイブリッド車とガソリン車の経済性やリスクの違いを比較し、ライフスタイルに合った選択ができます
- マイナーチェンジによる機能差、特にACC(アダプティブ・クルーズ・コントロール)の進化が理解
- 購入後に後悔しないための、スライドドアの動作確認や内装チェックなど、具体的なポイントが分かる
データで見るフリード中古の狙い目と相場

- フリード中古市場の価格推移と相場
- ハイブリッドとガソリン車の比較
- 前期と後期の違いやACCの進化
- おすすめ年式とグレードの選び方
- クロスターのリセールバリュー評価
- 競合車シエンタとの比較ポイント
フリード中古市場の価格推移と相場

現在の中古車市場において、フリードは非常に興味深い価格推移を見せています。特に2024年に新型となる3代目が登場したことで、これまで主流だった2代目モデル(GB5/6/7/8型)の良質な在庫が市場に多く流通し始めました。これにより、消費者は豊富な選択肢の中から条件に合う一台を探しやすい状況と言えます。
市場全体の相場を分析すると、価格帯によって明確な特徴が見られます。まず、予算をできるだけ抑えたい場合に視野に入るのが、支払い総額100万円以下のゾーンです。ここには初代モデルや、2代目の過走行車が含まれますが、維持費や修理リスクを考慮すると慎重な判断が求められます。
次に、100万円から150万円の価格帯は、コストパフォーマンスを重視する方にとって最大の「狙い目」です。ここでは2代目の前期モデル(2016年〜2018年式)で、走行距離が5万kmから8万km程度の車両が中心となります。新車価格の半額以下で手に入り、実用性も十分に高い個体が多く見つかります。
さらに予算を上げて150万円から200万円のゾーンになると、2019年のマイナーチェンジ前後のモデルが視野に入ります。走行距離も3万kmから5万km程度と状態の良いものが増え、長く乗りたい方にはバランスの良い選択肢となります。
このように、フリードの中古車相場は予算に応じて明確な層分けがなされており、自身の重視するポイントに合わせてターゲットを絞り込むことが可能です。
ハイブリッドとガソリン車の比較

フリードを選ぶ際に多くの人が悩むのが、ハイブリッド車(i-DCD)とガソリン車(i-VTEC)のどちらを選ぶべきかという点です。それぞれの特徴を理解し、自分の利用シーンに照らし合わせて判断することが大切です。
まずハイブリッド車は、モーターのアシストによるスムーズな加速と静粛性の高さが魅力です。実燃費はリッターあたり18kmから22km程度と優秀で、ガソリン車に対してリッター5kmから7kmほどのアドバンテージがあります。信号待ちなどでのアイドリングストップからの復帰も静かで、街乗りでの快適性は非常に高いと言えます。
一方でガソリン車は、車両本体価格の安さが大きなメリットです。中古車市場では、同一年式・同一走行距離で比較した場合、ハイブリッド車よりも30万円から50万円ほど安く設定されているケースが少なくありません。
実燃費は12kmから14km程度ですが、年間走行距離が8,000km以下などそれほど多くないユーザーであれば、購入時の価格差を燃費だけで埋めるのは難しく、トータルコストではガソリン車の方が安く済む可能性が高いと考えられます。
また、メンテナンスのリスクという観点でも違いがあります。ハイブリッド車には駆動用バッテリーなどの高額部品が搭載されており、長期保有時にはそれらの交換リスクを考慮する必要がありますが、ガソリン車は枯れた技術で作られているため、機械的な信頼性が高く、突発的な高額修理のリスクは比較的低いと言えます。
| 項目 | ハイブリッド車 (i-DCD) | ガソリン車 (i-VTEC) |
| 中古車価格 | 高め (ガソリン車 +30〜50万円) | 割安 (狙い目) |
| 実燃費目安 | 18〜22 km/L | 12〜14 km/L |
| 走行性能 | ダイレクトな加速、静粛性高 | 必要十分、自然な加速 |
| リスク | バッテリー、DCTの故障懸念 | 故障リスクが低く安心 |
| 推奨ユーザー | 年間走行距離が多い、渋滞が多い | 初期費用を抑えたい、週末利用 |
前期と後期の違いやACCの進化

2代目フリードを検討する上で避けて通れないのが、2019年10月に実施されたマイナーチェンジによる機能差です。外観の変化以上に中身の進化が著しく、特に長距離運転を頻繁に行う方にとっては決定的な違いとなります。
最も大きな変更点は、先進安全運転支援システム「Honda SENSING」に含まれるACC(アダプティブ・クルーズ・コントロール)の性能向上です。
前期モデル(2016年〜2019年9月)のACCは、約30km/h以下になると自動的に解除される仕様でした。そのため、高速道路での渋滞時にはドライバー自身がブレーキ操作を行う必要があり、疲労軽減効果は限定的でした。
これに対し、後期モデル(2019年10月以降)では渋滞追従機能付きACCへと進化しています。これにより、全車速域で先行車に追従し、先行車が停止すれば自車も自動で停止、その状態を保持できるようになりました。
ゴールデンウィークやお盆の帰省ラッシュなど、激しい渋滞に巻き込まれた際のストレスや疲労度は、この機能の有無で天と地ほどの差があります。
また、走りやデザインの面でも改良が加えられています。エンジンの内部部品やトランスミッションの制御が見直され、実用燃費とカタログ燃費の差が縮まるとともに、下り坂でのエンジンブレーキの効きなども自然な感覚に調整されました。
さらに、SUV風のデザインを取り入れた新グレード「CROSSTAR(クロスター)」が追加されたのもこのタイミングです。予算が許すのであれば、機能的に完成された後期モデルを選ぶメリットは非常に大きいと言えます。
おすすめ年式とグレードの選び方

数あるフリードの中古車の中から、具体的にどの年式とグレードを選べば良いのか、ユーザーの目的別に推奨モデルを提案します。
まず、コストパフォーマンスを最優先にするなら、2017年から2018年式のガソリン車「G Honda SENSING」がおすすめです。この年式であれば、支払総額110万円から130万円程度で良質な個体が見つかります。
前期型とはいえ、衝突軽減ブレーキなどの基本的な安全装備は備わっており、日常の足として使う分には十分な性能を持っています。浮いた予算をタイヤ交換やナビの更新に充てるのも賢い選択です。
次に、快適性とロングドライブを重視する方には、2020年から2021年式のハイブリッド車「G Honda SENSING」を推奨します。
前述した通り、この年式以降は渋滞追従機能付きACCが搭載されており、長距離移動が劇的に楽になります。また、初回車検や2回目の車検を機に手放されたワンオーナー車も多く流通しており、状態の良い車両を選びやすいという利点もあります。
最後に、リセールバリューや見た目にこだわるなら、2020年以降の「CROSSTAR(クロスター)」がベストです。アウトドアテイストのデザインは所有満足度が高く、中古車市場での人気も安定しています。
購入価格は高めですが、数年後に売却する際も高値が付きやすいため、実質的な負担額は標準グレードとそれほど変わらない可能性があります。自分の重視するポイントを明確にすることで、迷いなく最適な一台を選定できるはずです。
クロスターのリセールバリュー評価

2019年のマイナーチェンジで追加された「CROSSTAR(クロスター)」は、近年のSUVブームを背景に、フリードの中でも特に高いリセールバリューを維持しているグレードです。
標準モデルとは異なる専用のフロントグリルやバンパー、ルーフレールなどを装備し、アクティブな印象を与えるデザインが幅広い層から支持されています。
中古車市場におけるクロスターの評価は非常に高く、標準グレードの「G」と比較しても、同一年式・同一走行距離で数十万円高い相場で取引されることが珍しくありません。
これは購入時には割高に感じる要因となりますが、売却時にはプラスに働きます。特に、人気のボディカラーであるカーキやパールホワイトの個体は引き合いが強く、値落ちしにくい傾向にあります。
ただし、クロスターを選ぶ際に注意したいのは、あくまで「雰囲気」を楽しむモデルであるという点です。4WDモデルの最低地上高は150mm確保されていますが、FFモデルは標準車と同じ135mmであり、本格的な悪路走破性が備わっているわけではありません。
それでも、キャンプ場などの未舗装路に似合うスタイリングや、撥水加工が施されたシート表皮など、アウトドアユースを意識した装備は実用的であり、週末のレジャーを重視するファミリー層にとっては非常に魅力的な選択肢と言えます。
競合車シエンタとの比較ポイント

フリードの購入を検討する際、必ずと言っていいほど比較対象になるのがトヨタの「シエンタ」です。どちらもコンパクトミニバンとして高い完成度を誇りますが、そのキャラクターには明確な違いがあります。
最大の違いは2列目シートの仕様です。フリードは6人乗りモデルに「キャプテンシート」を採用しており、2列目が独立した座席になっています。これにより、大人が座っても隣の人と肩が触れ合わず、アームレストも装備されているため、まるでリビングのソファのような快適性を得られます。
また、中央が通路になっているため、3列目へのアクセスもスムーズです。対するシエンタはベンチシートが中心で、7人乗りが可能ですが、シートアレンジの都合上、座り心地はやや平板な印象を受けます。
3列目の収納方法も異なります。フリードは左右に跳ね上げるタイプを採用しており、操作は簡単ですが、跳ね上げたシートが荷室の幅を少し狭めてしまうのが難点です。
一方、シエンタは2列目の下に3列目を格納するダイブイン方式で、収納すれば広大でフラットな荷室が出現しますが、格納手順はやや煩雑です。
走りの面では、フリードのハイブリッド(i-DCD)が有段ギアによるダイレクトな加速感を楽しめるのに対し、シエンタのハイブリッド(THS-II)は燃費性能に優れ、滑らかな走りを特徴としています。
「人を快適に乗せる」ことを重視するならフリード、「荷物をたくさん積んで燃費よく走る」ことを重視するならシエンタ、というように、優先順位によって選び分けるのが正解と考えられます
みんなの声~口コミ・評判~
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コスパ重視なら前期ガソリン一択です!予算120万で探していましたが、前期のガソリンG(ホンダセンシング付)がベストバイでした。ハイブリッドとの価格差を埋めるには相当走らないといけないので、週末利用メインならガソリン車の方がトータルで安上がり。浮いたお金でナビを新品にしました!
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長距離乗るなら絶対後期型!ACCが別物少し予算オーバーでしたが2020年以降の後期モデルにして大正解。ACCが渋滞追従対応になったので、帰省ラッシュの疲れが段違いです。前期型は30km/h以下で切れるので、高速よく使う人は絶対後期が狙い目。
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スライドドアの故障には要注意中古で安く買えたと喜んでいたら、半年で左側スライドドアが開かなくなりました。アクチュエーター交換で数万円の出費…。購入時に開閉動作の異音チェックは必須です。「ガリガリ」音がする個体は避けたほうがいいですよ。
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見た目で選ぶならクロスター!普通のミニバンデザインが苦手でクロスターの中古を購入。アウトドア映えするし、リセールも良いらしいので満足度高いです。最低地上高は標準車と変わらないので悪路は無理ですが、キャンプ場の雰囲気には最高に合います。
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子育て世代には「ちょうどいい」シエンタと迷いましたが、2列目キャプテンシートのウォークスルーが便利すぎてフリードに。雨の日に車内を移動して子供の世話ができるのが神。内装の汚れは中古なら気にならないレベルを選べばOK。
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i-DCDの走りが意外と楽しいハイブリッドのDCT(有段ギア)の変速感がダイレクトで気持ちいい。トヨタのハイブリッドとは違う走り味があります。初期型はジャダーが出ると聞きますが、2017年以降なら熟成されていて不安なし。
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雪国住みにはHVの4WDがありがたいこのクラスのハイブリッドで4WD設定があるのがフリードの強み。シエンタ(旧型)にはなかったので迷わずこちらに。冬場の安心感が違います。スキーに行く人にもおすすめの狙い目モデルです。
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安すぎる個体は内装チェック必須相場より安い車両を見に行ったら、荷室が傷だらけ&シートにチャイルドシートの跡がくっきり。ファミリーカーとして使い倒された個体でした。機関系は丈夫ですが、内装のヤレ具合は値段に反映されますね。
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純正ナビが古くて地図更新が終了…車自体はいいのですが、付いていた純正ナビが古くて新しい道が出ません。中古を買うなら、社外ナビに交換できるか、CarPlay対応かどうかを確認したほうが幸せになれます。
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新型が出た今こそ2代目が狙い目新型フリードは良いけど高すぎる!350万は出せないので、状態の良い2代目後期の中古を買いました。機能的には十分だし、熟成された最終型に近いモデルなら故障の心配も少なくて安心です。
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ステップワゴンからのダウンサイズに最適子供が独立して大きい車が不要になり乗り換え。取り回しが楽で運転しやすくなりました。たまに孫を乗せるときだけ3列目を使えるのが本当に便利。まさに「ちょうどいい」です。
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ハイブリッドバッテリーの保証を確認して10万キロ超えの中古HVはバッテリー交換リスクがあります。交換費用は20万コース。長く乗るなら少し高くても走行距離少なめか、保証がしっかりしたディーラー認定中古車を選ぶのが吉。
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夏場の後席はちょっと暑いシエンタには天井サーキュレーターがあるけどフリードにはない。真夏は3列目まで冷気が届きにくいので、扇風機を取り付けました。中古購入時にエアコンの効きチェックは忘れずに。
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ガソリン車でも燃費は許容範囲街乗りリッター12km、高速15kmくらい。HVには劣るけど、車両価格の安さを考えれば十分満足。エンジン音も静かで、パワー不足を感じることも日常シーンではありません。
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モデューロXの足回りは別格ミニバン特有のフラつきが嫌でモデューロXの中古を購入。これ本当にミニバン?ってくらいカーブが安定してます。家族も酔いにくいと言っています。予算あるなら絶対おすすめ!
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視界が広くて初心者でも安心久しぶりの運転で怖かったですが、フリードは窓が大きくて見切りが良いので助かってます。Honda SENSINGもついているので、中古でも安全装備がしっかりしているのが決め手でした。
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ロードノイズはタイヤで改善しました高速道路での「ゴー」という音が気になりましたが、中古購入時にタイヤをレグノに替えたら劇的に静かになりました。純正タイヤが硬くなっている中古車は早めの交換がおすすめです。
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3列目は跳ね上げ式で少し邪魔荷物をたくさん積むとき、3列目シートを左右に跳ね上げるのですが、視界も遮るし幅も狭くなるのが難点。シエンタのように床下収納なら完璧だった。でも座り心地はフリードの方が上です。
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車中泊も工夫次第で快適フリード+(プラス)じゃなくても、段差解消マットを使えば普通に寝られます。クロスターで道の駅巡りをするのが趣味になりました。手軽なキャンピングカーとして中古は最高の素材です。
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整備記録簿がない車はやめとけ「修復歴なし」でも、オイル交換サボってたり、ぶつけた跡をごまかしてる車はあります。必ず整備記録簿(メンテナンスノート)を見せてもらって、履歴がはっきりしている個体を選んでください。
失敗しないフリード中古の狙い目な探し方
- スライドドア故障や修理費の目安
- 注意点となるバッテリー等の寿命
- 内装の劣化状況でわかる使用歴
- 安すぎる中古車に潜むリスク
- タイプ別フリード中古の狙い目の結論
スライドドア故障や修理費の目安

便利で快適なパワースライドドアですが、中古車で購入する際には注意が必要なポイントの一つです。フリード(特にGB5系)においては、経年劣化によりスライドドアが開かなくなったり、閉まる直前に反転して開いてしまったりするトラブルが報告されています。
主な原因として挙げられるのは、ドアをロックする「リアラッチ(イージークローザー)」ユニットの故障や、モーター、ワイヤーの劣化です。もし購入後にこれが故障した場合、修理費用は決して安くありません。
ディーラーで新品部品を使ってユニットごと交換(ASSY交換)する場合、片側だけで約5万5,000円から8万円程度の出費となるケースが一般的です。
コストを抑えるために民間の整備工場で中古部品を使って修理する場合でも、2万円から3万円程度は見ておく必要があります。そのため、中古車選びの現車確認時には、必ず左右のスライドドアを実際に動かしてみることが大切です。
開閉時に「ガリガリ」という異音がしないか、動きがスムーズか、最後までしっかりと閉まり切るかを念入りにチェックしましょう。もし違和感がある場合は、販売店に相談して納車前に修理してもらうか、その車両は見送るのが賢明です。
注意点となるバッテリー等の寿命

ハイブリッド車の中古購入を検討する際、どうしても気になるのが駆動用バッテリーの寿命です。結論から言えば、それほど過敏になる必要はありませんが、正しい知識を持っておくことは大切です。
ホンダのハイブリッド車に搭載されているリチウムイオンバッテリーは、基本的に車両の寿命と同等か、それ以上持つように設計されています。実際に、10万kmを超えても無交換で問題なく走行している車両が大半です。
メーカー保証も「新車登録から5年または10万km」と設定されており、耐久性には自信が持たれています。しかし、もし運悪く交換が必要になった場合、その費用は工賃込みで20万円から40万円と高額になる可能性があります。
また、ハイブリッド車にもガソリン車と同様に12Vの「補機用バッテリー」が搭載されています。こちらはシステムを起動したり、ライトやエアコンなどの電装品を動かしたりするためのもので、寿命は4年から5年程度です。一般的なバッテリーよりも高性能なものが指定されており、交換費用は2万円から4万円ほどかかります。
中古車を選ぶ際は、走行距離だけでなく年式も重要です。あまりに低年式で過走行な個体は、駆動用バッテリーのリスクが少し高まることを頭に入れておきましょう。逆に、補機用バッテリーについては消耗品と割り切り、購入時に新品に交換してもらう交渉をするのも一つの手です。
内装の劣化状況でわかる使用歴

中古車の状態を見極める上で、走行距離や外装の傷と同じくらい重要なのが内装の劣化具合です。特にフリードのようなファミリーカーは、前オーナーの使い方によって内装の状態に大きな差が出ます。内装を詳しく観察することで、その車がどのように扱われてきたかをある程度推測することができます。
まずチェックしたいのが2列目シートです。ここにチャイルドシートを長期間設置していた車両は、座面に深い凹みや擦れ跡が残っていることがあります。また、運転席や助手席の背面にあるシートバックテーブルも要チェックです。子供が足を乗せたり蹴ったりして、傷だらけになっていたり破損していたりするケースも見受けられます。
さらに、荷室の樹脂パーツも見てみましょう。自転車やベビーカーなどを頻繁に積み下ろししていた車両は、開口部や側面のパネルに無数の擦り傷がついていることが多いです。
これらの使用感自体は車の機能に直接影響するわけではありませんが、あまりに傷や汚れが酷い車両は、メンテナンスも含めて「使い倒されている」可能性があります。前のオーナーが大切に乗っていたかどうかを判断する材料として、内装のチェックは非常に有効です。
安すぎる中古車に潜むリスク

中古車情報サイトを見ていると、相場よりも明らかに安いフリードを見かけることがあります。「掘り出し物かもしれない」と飛びつきたくなりますが、安さには必ず理由があると考えた方が安全です。
まず疑うべきは「修復歴」の有無です。フレームなどの骨格部分に損傷を受けた過去がある車は、走行に支障が出るリスクがあるため価格が大きく下がります。
販売店には修復歴の有無を表示する義務がありますが、中には「修復歴なし」とされていても、実は大きな事故を経験しているケース(修復歴の定義にギリギリ当てはまらない修理など)もゼロではありません。
また、レンタカー上がりや過走行車も安くなる傾向にあります。これらは定期的なメンテナンスを受けている場合も多いですが、不特定多数の人が運転しているため、エンジンや足回りに相応の負担がかかっています。
特にハイブリッド車の場合、走行距離が10万kmを大きく超えている個体は、前述したバッテリー交換のリスクや、DCT(トランスミッション)のクラッチアクチュエーターなどの消耗部品の交換時期が迫っている可能性があります。
目先の安さだけで判断せず、整備記録簿(メンテナンスノート)を確認して過去の整備履歴をチェックすること、そして消耗品の交換コストまで含めたトータルコストで判断することが、失敗しない中古車選びの鍵となります。
タイプ別フリード中古の狙い目の結論
ここまで解説してきた情報を踏まえ、それぞれのユーザータイプに最適な「狙い目」のフリードを結論としてまとめます。
まず、「とにかく安く、でも安心して乗れる車が欲しい」という方には、2017年から2018年式のガソリン車が最適解です。
ハイブリッドのようなバッテリーリスクがなく、車両価格も手頃であるため、購入後の維持費を含めても経済的です。この年式のガソリン車は、機械的な信頼性が高く、長く付き合えるパートナーとなるでしょう。
次に、「長距離の旅行や帰省が多く、運転の疲れを減らしたい」という方には、2020年以降の後期型ハイブリッド車を強く推奨します。
渋滞追従機能付きACCの恩恵は計り知れず、一度体験すると手放せなくなるほどの快適さをもたらしてくれます。価格は上がりますが、その価値は十分にあります。
そして、「見た目のカッコよさと、将来高く売れることも期待したい」という方には、クロスター(CROSSTAR)が正解です。
SUVライクな外観は所有する喜びを満たしてくれますし、高いリセールバリューは次回の乗り換え時の資金計画を助けてくれるはずです。自分の優先順位を整理し、これらの基準を参考に車探しを行えば、きっと満足のいく一台に出会えることでしょう。
